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「新聞」が読み書きを鍛えるのに最強なワケ

新聞や書籍で簡単に練習できる

 

読む力は、ある程度の量の文章を読んでこそ培われます(写真:Fast&Slow / PIXTA
読解力のない人は、物事の本質をとらえていないので、発言も浅いものになりがちです。新聞や本を読むにしても、漫然と読んでいるだけでは、情報は流れていってしまいます。本記事では国語講師で『大人に必要な「読解力」がきちんと身につく 読みトレ』の著者である吉田裕子の内容を参考に記事にしています。
 
 
 
 

要約の練習には新聞が適している

 

読む力だけでなく、書く力も鍛える、一石二鳥のトレーニング方法が要約です。まず、要点の探し方を理解しておきましょう。その文章を読んでいない人にも、文章の内容が伝わるように抽出するのがポイントです。

[話題]何について述べているのか
[結論]結局どのようなことを言いたいのか

の2点を探します。話題と結論があれば、「何の話?」「要は何が言いたいの?」という疑問に答えることができます。

 

・タイトルや小見出し
・導入部
・太字などで強調している箇所
・締めくくり部分
 

に注目すれば、早めに見当をつけることができるでしょう。

要約の練習に適した教材が新聞です。特に「社説を100字程度で要約する」というのが、要点を見つけ、簡潔にまとめる練習になるでしょう。社説は1つの文章で1つの主張を述べており、練習にはもってこいです。

また、事件などを報道する記事も、5W1Hを意識しながら読み、まとめることで、正確に情報の全体像を把握するという練習に使うことができます。リード文(記事冒頭の要約)の付いている記事を使うと便利です。最初はリード文を隠し、自力で要約を書いてからリード文を見れば、要約の答え合わせができます。

 

また、文章の要約とは別に、本1冊の感想をコンパクトに書く習慣を通じても、要約力を鍛えることができます。1冊の書籍にはさまざまな内容が詰まっていますので、その全部を拾うことはできませんが、

 

[話題]何についての本なのか
[見どころ]この本の面白い点はどこか
[感想]自分はどう感じたか
 

という3点に絞って、100字にまとめてみるのです。新聞などに掲載される「書評」のようなスタイルです。

 

 

日常会話だけでは語彙力は上がらない

読解力を下支えするのが、語彙力です。英単語を知らなければ英文が読めないように、日本語の単語や表現を知らなければ、日本語の文章は読めないものです。母国語に関し、この点を軽んじている人は多いように思います。

日常会話、しかも、家族や友人などの固定メンバー、同じような年齢のメンバーとの会話だけでは、なかなか語彙は増えていきません。どうしても、今使える範囲の言葉で居心地よく会話をするだけになるからです。

そこで、本や新聞を読むことが必要になってくるわけですが、漫然と文章を読んでいるだけでは、語彙力は少しずつしか伸びません。成長を速くするには、言葉を調べたりメモしたりすることを習慣化すべきです。

 

・初めて見る言葉
・よく意味がわからない言葉
 

を放置しないようにしてください。気になったその瞬間をやり過ごしてしまわないようにし、その都度、何かしらの解決を図るのです。付箋を貼る。調べる。考える。覚える。打ち込む。書き留める。自分なりのストック方法を見つけましょう。

 

なお、私はスマホの辞書アプリで調べるのが習慣です。1つの辞書で十分に納得できなかったときのために複数の辞書を使える環境にしています。調べたり気に入ったりした言葉は、そのままEvernote(メモ帳アプリ)の語彙ノートに記録しています。上級編の語彙力増強法になりますが、「辞書を読む」という方法もあります。本を読むように、辞書を頭から読んでいくのです。

 

もちろん一字一句追おうとすると、なかなか読み終わりませんので、濃淡を付けながら読みます。私が辞書を読む場合にも、まずは見開き全体をざっと眺めます。そこで、初めて知った語や気になる語に特に注目します。そして、これから使いたい言葉や定義が新鮮に感じられた語、面白い例文を見つけると、ページを折ったり付箋を貼ったりしています(読み終えた辞書は折り目と付箋でさらに分厚くなります)。

 

 

読むか読まないかではなく、何を読むか

 

読む力は、ある程度の量の文章を読んでこそ培われます。「量より質」という考え方もありますが、読書の場合、量を読まずして上質の文章だけを読んだとしても、それを読みこなすというのは不可能な話です。たくさん読んで、その経験の中で語彙を増やしたり視野を広げたりすることが、名著を理解するうえでの下地になります。

量に触れる。それによって、読解力や思考力といった質的能力を育てていきましょう。

もしかしたら、子どものときの読書指導のイメージから、「読書=小説を読む」というイメージがある人もいるかもしれません。もちろん、小説を読むのも重要なことなのですが、多様なジャンルの活字に触れることを心がけると、トータルの読書量が多くなります。

「読書するか、しないか」の二択でなく「何を読むか」。そういう状況を作れば、「読まない」という選択肢は取らなくなるのです。

具体的には、つねに何冊かの本を持ち歩くようにしましょう。電子書籍を併用すれば、軽くて済むはずです。移動時間やちょっとした空き時間に、その時々の気分に合った本を読むようにすることで、トータルの読書時間を伸ばしていくのです。

本を選ぶ際、私が意識していることに、

 

・知性につながる読書か、感性につながる読書か
・ストックの読書か、フローの読書か
 

という2つの軸があります。ストックは、自分の中に蓄積され、長期的に生きてくるような本質的なもの、フローは、ニュースのように日々流れてくる情報です。

 

この分類を掛け合わせると、

 

・知性×ストック(学術書哲学書、普遍的なテーマのビジネス書など)
・知性×フロー(トレンドの話題や人のビジネス書、ビジネス系雑誌など)
・感性×ストック(小説、詩歌など)
・感性×フロー(軽めのエッセイ、ライフスタイル誌など)
 

という4領域に分けられます。本を選ぶときに、このバランスが大体取れるように心がけています。「最近はビジネス書(知性×フロー)ばかりで、ちょっと近視眼的になっている気がする……よし、前に買っておいたあの小説(感性×ストック)を読もう」という次第です。

 

自分で書いて始めて、他人の文章を評価できる

 

ストックの重い読書ばかりでなく、心理的負担の軽いフローの読書も採り入れる。ある領域に疲れたら別の領域に移る。そういう工夫で、全体として読書を続けている状態を作るようにするわけです。

読解力を培ううえで、実は良い方法が、自分でも文章を書いてみることです。実際にやってみることで初めてわかることというものは多いものです。

 

・どうしてこんな文体を取るのか
・どうしてこんな文章構成なのか
 

など。自分が書くからこそ、他の人の文章の技術に気づきやすくなり、まねできる手本が増えます。

 

また、書く側に回ってこそ、書き手の工夫や苦悩が感じられるようになるのです。私も昔は、他人の書いた文章を読んで、「何だコレ、プロならもっとうまく書けるだろうに……」とよく毒づいていました。内心、「私のほうが絶対うまいんだけど」とイライラしていました。

 

ただし、自分がコラムや書籍を執筆するようになって、「きっとこういう事情があって、こういう表現にしたんだろうな」などと想像をすることができるようになりました。

 

自分で文章を書いてみると、どれぐらい時間を費やすものなのか、どれだけ悩むものなのかを実感できるのです。そうすると、他人が書いた文章に対するリスペクト(尊敬・尊重)の気持ちも出てきます。その人がどれだけの手間暇をかけて書いたのかを想像すれば、脊髄反射的に拒否・反発するような態度を取らなくなるはずです。

「せっかく誰かが手間暇をかけて書いた文章なのだから、何かを伝えようとしたのか、読んでみようではないか」――そうやって何とか理解しようという思いで文章に向き合うことが、読解力の出発点であり、芯なのだと思います。