意外とメリット多し!遠距離通勤を選んだ理由
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わざわざ平均の倍近い時間をかけて遠距離通勤する人々も存在する。
子供を預けやすい子育て環境の良さがある
神奈川県鎌倉市在住の30代男性・Aさんは、共働きの妻ともども2時間以上かけて都内に通勤している。
毎朝7時、市内の保育園に娘を預けるのは夫であるAさんの仕事。夕方5時半前後にお迎えにあがるのは、妻の仕事だ。
世帯収入からすれば都内で生活することも可能なのに、なぜ、あえて長距離通勤を選んだのか。
「一番の決め手は、私の実家から近いことでした。子供が急病の時など、いざという時に親が面倒を見てくれる安心感があります。認可、不認可ともに保育園も多く、都内よりは預けやすい。妻はフレックス勤務で定時は午後3時までと、職場の理解があることも大きい。恵まれた環境だからこそ可能なことですが、長距離通勤のストレスは意外にも少ないです」
Aさんは、通勤に時間をかけることで、「かえって時間の使い方が有意義になった」そうです。
「確かに毎日往復4時間かかることで疲れは溜まりますが、考えようによっては、電車内の時間を有意義に使うこともできる。スマホひとつあればニュースやさまざまな情報をチェックし、メールも返信できる。周囲も私の家が遠いことを理解してくれているため、職場の飲み会も一次会で帰れることがほとんど。ダラダラと2次会、3次会に参加することもないので、都内で一人暮らしをしていた時よりも早く帰れているのではないかと思います」
中心部と比べると家賃は半額で貯金も貯まる
前述の調査によれば、大阪圏における職場からの平均的な往復時間は、1時間26分。
その1.5倍以上となる約2時間半をかけて通勤しているのは、大阪・梅田に職場のある20代女性会社員・Bさん。
「会社近くの賃貸物件の家賃相場は10万円ほど。また徒歩圏内でもない限り、確実に通勤ラッシュに巻き込まれることになる。それならば、駅から多少遠くとも乗り換えがなく、始発で確実に座れる駅を選びました。車内では本を読んだりスマホで動画を観たりと、趣味を楽しむ時間に使えています。会社から定期代が支給されるから交通費の心配もないうえ、家賃も府の中心部と比べると半額以下で済むので、貯金も溜まる。休みの日に会社の人に会うこともないので、変な緊張感もなく住みやすいです」
もちろん良い面だけでなく、デメリットも存在する。
「帰りの電車では、座れる保証がない。終電を逃した結果、1万円近いタクシー代を支払うこともあります。忘年会や歓送迎会などのシーズンは、結局家賃との差分を浪費してしまいがちです」
ストレスの少ない、都心から郊外への通勤
中心部に出勤する人が多いなか、時間をかけて郊外に出勤する人もいる。IT企業に勤める40代の女性・Cさんもその一人。
夫婦名義で購入した都内のマンションから、2時間弱かけて通っている。 「ITシステムの構築を行う会社に勤務しているのですが、担当プロジェクトごとに客先に常駐することになっています。場合によっては、茨城県や静岡県へ出向くことも。最初は1時間半から2時間かけての通勤を不満に感じていましたが、今ではずいぶん慣れました」
Cさんは、都心部から郊外への出勤は、「メリットの方が大きい」と語る。
「通勤ラッシュと正反対の移動になるので、電車が混んでいないことが何よりのメリット。毎日座って、常駐する企業へ向かっています。また、帰り道は仕事終わりの機嫌の悪いサラリーマンや、酔客と遭遇することも少ない。よく、こんなに時間をかけて通勤するのは“時間の無駄”と言われるのですが、ビジネスホテルに泊まるよりは、自宅へ帰った方が安心もするし、疲れもとれやすいので、他の選択肢は考えにくいです」
1日の数時間を通勤に奪われるデメリットはありつつも、それぞれの価値観。長い通勤時間を有意義に使っている人もいるようだ。
考え方と条件次第で遠距離通勤もありと思える!